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2025/12/15 (Mon)
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2010/10/15 (Fri)
黒髪をかきわけて耳にヘッドフォンをあてる。
今聞いたばかりの素敵な言葉をこぼさないために、耳に蓋をしたかったからだ。
「グラッチェ」と短く、舌をいやらしく巻いた後にはじかせた音を、ブチャラティは大切にしまいこんだ。
それをさらに奥へ転がし包むように、ヘッドフォンから好みの曲が流れ出す。
鼓膜をすり抜けて脳を震わせる、繊細なビートが、閉じ込めた言葉とまじって心地よい。
歌が繰り返されるにつれ体が浮き上がる感覚に酔い、酔いが深くなるにつれ眠りにおちた。
バルコニーから吹き込む風が、切りそろえた前髪を揺らす、昼下がりの贅沢なうたた寝だった。


「ブチャラティ、首飾りが見つかった。お前の言う通り、あの錠前を壊したらその奥にあったぞ。」
リゾットは言い終えてから見下ろすと、ブチャラティはすでに寝息をたてていた。
返事の代わりに、ヘッドフォンからかすかに漏れる甘く鋭利な音が聞こえるのみだ。
さざめくリフが音の粒となってこぼれ、飛沫のようにきらめく。
「疲れて当然だな」
ブチャラティは疲労の重みで体をベッドに沈ませていた。
その安らかな眠りを妨げぬように静かな足取りでリゾットはバルコニーから外に出た。
カーテンに風をおくるバルコニーには、真昼の光があふれている。
さすがこの土地の王が作った邸宅である、太陽と風の恵みを存分に受けられる場所に建てられている。
バルコニーの下には水を波打たせるプールが広がっていた。
よく磨かれたターコイズ色のタイルは日差しに反射する水紋をうつし、シャンパンのように光る。
そのタイルを磨いたのはブチャラティだ。
しばらく使われていなかったプールを見て突然、プロシュートが水を張りたいと言ったからだった。
夏も終わるという時期にプールを所望する。
しかしブチャラティは手際よく、埃だらけのタイル張りの空洞を一日かけて磨き上げ、ホースを伸ばして一晩かけて水を張った。
タイルのすみずみまで水が注がれると、宝石のように美しいプールがあらわれた。
プロシュートの目の色と同じだと、珠の汗を浮かべながらブチャラティは喜んだ。
プールサイドにはパラソルの下にいくつかのデッキチェアが広げらる。
澄みきったプールを見て、プロシュートは機嫌良さそうに微笑み、ブチャラティにグラッチェと一言告げる。
与えられた言葉をブチャラティは耳の奥で何度か反芻させてから、この部屋で休むことにしたのだ。
そしてその言葉が耳から逃げてしまわないように、ヘッドフォンで栓をした。
グラッチェ、きれいでいやらしい舌使いだ。


そのとき、寝息をたてるブチャラティのヘッドフォンから漏れる音に、よく似たギターの音が、どこからともなく聞こえてきた。
もう一度リゾットがバルコニーから見下ろすと、パラソルの淵から白いくるぶしが見えた。
デッキチェアで足を組んで座るプロシュートだ。
音はそこから聞こえる。
プロシュートは薄いギターを抱えているのだろう、リゾットにはわからない些細な音のゆがみを直す作業を行っているようだ。
その後に足首がリズムをとるように軽やかに揺れ始める。
隠微な足首だった。
リゾットはブチャラティに見せようとしていた獲物を持ったまま、プロシュートのもとに向かった。


指先に器用に力をくわえて、尖った音をしなやかにベンディングさせる。
それにより生まれた歪んだ音に吸い寄せられるようにリゾットが近づく。
このプールを仕上げるのに疲れ果てたブチャラティをよそに、プロシュートは煙草を味わいながらタブ譜を目で追い、気ままに音を鳴らしている。
気楽なものだった。
「見つけたぞ、ナポリ王アラゴン家が残した、田舎の別邸。そこに隠された秘宝」
リゾットがプールサイドにたどり着くと、プロシュートは唇から煙草を抜き灰皿に落とした。
糸のような弦から細い煙草へ、きれいな指が緻密に動く様に、思わず魅入ってしまう。
「やっぱり、あいつの目星は正しかったんだな」
プロシュートは煙を吐き出してから言った。
これはプロシュートにとってブチャラティへの賞賛を意味する。
本人が聞いたら喜ぶだろうなと、リゾットは思った。
「入念に調べたらしいからな。」
「スリに向いているんだ。あいつの能力は。手癖が悪い。」
プロシュートは再び音を鳴らす。
静かな浮遊感のあるコード進行だった。
アンプから抜けた音が空気を研ぎ澄まし、跳ね返ることなく消える。
プロシュートのくるぶしから先は変わらずパラソルの陰から伸び、揺れながら日差しを浴びていた。
リゾットは隣のデッキチェアに座り、首飾りを取り出した。
「見るか?」
厳重に隠されてはいたが、そんなものはリゾットの手にかかればいとも容易く取り出せる。
弦を弾くのをやめたプロシュートの手の平がリゾットに伸ばされた。
その上に首飾りを下ろせという意味だろう、たっぷりと重みを感じる大粒のパールの連なりが、陽光に照らされながら下ろされる。
長い眠りからさめたばかりにも関わらず、首飾りは女王のように堂々と光を帯びて艶めいている。
ところが、リゾットがプロシュートの手の平にのせた瞬間に手をすべらせてしまった。
そのせいでパールの首飾りは乾いた音をたてて無残に落下してしまう。
落下の衝撃で脆いチェーンが崩れ、パールは雫のように飛び散った。
宝石とは違って、チェーンは年月とともに劣化していたのだろう、一粒一粒が高い音をたてて零れ落ち、プールサイドの上をすべりゆく。
白く光ながら軽快に跳ね、雨粒のようにプールの水面に打ち付けられた。
吸い込まれるようにターコイズの青に消える。
「高価な宝石は砕ける音も高価だな」
「冗談は後にしろ、拾うぞ。」
プロシュートは面倒そうにギターを下ろすと立ち上がり、プールに入る。
梯子を使うこともなく、飛び込むこともなく、足先から落ちるようにプールに沈み、すぐさま頭までもぐる。
ターコイズ色のタイルにまぎれる光沢の白をさぐり、指ですくいあげる。
続いてリゾットもプールに飛び込んだ。
乱暴に入ったせいで水中に飛沫がたちこめ、小さなパールと泡の区別がつかなくなった。
抗議のためにふりむいたプロシュートは手首をつかまれ引き寄せられる。
唇がふれたかと思ったが、その隙間に小さな粒がすべりこんだ。
指でとりのぞくと泡にまぎれた赤く透き通るルビーだった。
プールの底にうつる光の水紋はさらにこまかく編みこまれ、散らばるパールが太陽を反射して輝く。
本物の浮遊感に包まれ、二人はたまに甘く唇を重ねたり、噛みついたりしながら宝石を一粒一粒集めた。


「起こしてくれてもよかっただろ。」
プールサイドのテーブルに食事を運びながらブチャラティは不満そう呟く。
ヘッドフォンの音楽はやみ無意識に耳から外していた。
その次に耳を満たしたのは外から聞こえる飛沫の音だ。
新鮮な水の音に目を覚まし、バルコニーから見下ろせば、大人の男が二人でじゃれあっていたのだ。
プールの波間からは目をくらますような光がまたたき、よく目をこらしてもそれが何だかはわからなかった。
先ほどようやくその真相を聞き出したところだ。
まさか首飾りをバラバラにした挙句、プールに落とされるとは思ってもいなかった。
「大切な首飾りはちゃんと元に戻したのか」
「元に戻せるわけないだろ。職人を呼ぶ必要があるな」
「真珠は全部集めたのか」
「最初の数がわからない」
ブチャラティはビールを二人のグラスに注ぐ。
「あれはアラゴン家の娘、ベアトリーチェの形見だ。オークションにかけて儲けたお金でここにカジノを作ろうって言ってたじゃないか。一粒でも無くしたらダメなのに。」
「一粒くらい無くてもかまわないだろ。首にまわしても1センチにも満たない変化しか起こさない。」
「女の人はその1センチに命をかけている。前髪の長さだとか、ウエストの細さだとか、鼻の高さとか」
「胸の大きさとか、もしくは男の」
「プロシュート、真剣な話だ」
プロシュートは体にアルコールをしみわたらせてすでに気持ちよく揺れていた。
銀のトレイにのせたバラバラになった真珠をブチャラティに見せる。
揺れながらも覚束なくなる仕草は何一つ無く、隙がない。
「これが全部だ」
バラバラになった真珠を見て、ブチャラティは訝しげに眉を寄せる。
プロシュートは構わずにブチャラティの用意したチキンを咀嚼していた。
いつから仕込んでいたのか、甘いソースが肉の奥までよくしみこんでいる。
「リゾット、本当にこれが全部?」
「見つかった限りではな。カジノがそれほど欲しかったわけではないだろう。」
「文化的で歴史的な価値があるものだ。アラゴン家はナポリを統治したが、シチリアだってその支配下だった。」
「あぁ、知ってる。お前に言われなくてもな」
しかしリゾットは一人真剣に話すブチャラティの眼差しを好ましく思った。
リゾットとプロシュートの二人と、ブチャラティの間にある決定的な違いは可塑性だろう。
何とかなるかもしれない、変化を促せるかもしれない、自分の力の影響により好転するかもしれない。
どのようなことでも革命的に覆せると信じて疑わない、そういった強い希望を秘めている。
それに比べて、ブチャラティよりも幾らか年をとった二人は諦念を知っていた。
それは脱力的な意味合いはなく、インシデンスを包みこむゆとりを持つようになったということだった。
変容を促せる絶対的な姿勢と、多少のいびつさは自分の中にとりいれてしまう大らかさ、そこが年齢差の分だけ、決定的に違っていた。


リゾットとブチャラティが首飾りの価値について話し合っていると、腹を満たしたプロシュートは先に寝室へ戻った。
バルコニーまで開け放たれた室内は夜風を含み、外とかわらない湿度を気温を保っていた。
しめた扉に背をよりかからせ、プロシュートは握っていた手を開く。
そこには小さな赤い石が光っていた。
ルビーだ。
プールに落ちた粒のうち、リゾットが真っ先に救い上げた宝石だった。
熱く燃えるような色でいて、女性の唇のように潤んでもいた。
けれどプールの中で重ねられた唇はもっとやわらかい。
その口の中はもっと熱い。
体の中はさらに燃えていた。
ルビーを手にしたまま服を脱ぎ落とし、寝室にそなえられたバスルームに入る。
プロシュートはシャワーを浴びながら、体に散らばるリゾットの唇の痕にルビーを押しつけた。
白い皮膚のせいで痕に残りやすく、ルビーの色が馴染むほど赤い。
丸いルビーが鬱血した皮膚をくぼませ、すべる。
リゾットの唇に吸われた皮膚の色と、リゾットとの唇にはさまれたルビーの色が重なり、そのうち見分けがつかなくなる。
鮮やかな色だった。
赤は信号の光のように、静かに警告する。
シャワーの水滴をまとうルビーが仄かに光を放ちながら、冷たくささやく。
幸福を味わった後にあるものは絶望だ、と。
そんなことは承知しているのに、ときおり流されてしまいそうになる。
その心を抑制するように、強い色彩が無慈悲に警笛を鳴らした。
緩む心はプロシュートのものだが、警笛もまたプロシュートの自意識だ。
甘んじることは嫌いではないが、乱されることは苦手だ。
さらにルビーを強く押し付けると、鬱血と見分けがつかなくなるどころか、一つに同化する。
シャワーからあがると、ベッドの上で待っていたのはブチャラティだった。
「昼間から何やってるんだ。バルコニーから丸見えだった。」
ブチャラティはバルコニーを指差して言う。
寝起きにプールの情事を見せ付けられたのだ。
しかも、二人はブチャラティに見られていると気づいていたのに、それでも続けた。
ブチャラティはベッドから立ち上がり、プロシュートの手首を引きベッドに招く。
プロシュートの体から乱暴にタオルを落とすと、改めて全身に散らばる痕を眺めた。
これは所有の証ではなく、リゾットのブチャラティに対する試みだと思った。
挑発ではなく、プロシュートという男を知らせるための試みだ。
ブチャラティに見られていると知りながらも行為を続け、体中に愛情を押し付けられてもプロシュートの眼差しは何一つ変わらない。
何をほどこしても変化を及ぼすことができない。
頑なで、その上いとも簡単に拒絶する。
あんなにも容易くリゾットを受け入れておきながら、心は少しも揺るがない。
肌の赤はリゾットに代わって、そう警告する。
彼を覆すどころか、わずかなゆがみすら与えることはできない。
普遍だ。
「でもそれってすごく、孤独だなぁ…」
ブチャラティは呟き、プロシュートの孤独な体に見惚れた。
プロシュートの体は衰えるにはまだ早いが、ブチャラティに比べたら年を重ねたあとが見てとれる。
みずみずしさに欠ける皮膚に、薄い体毛、関節に寄せられるささやかな皺。
プールに沈みこんだときに、飛沫にまぎれてしまうほどの透明度。
唇で吸われても、寄りかかることを知らない骨格。


「なんて孤独なんだ」
ブチャラティは自分に言い聞かせるように呟いてから、プロシュートの体に拳をあてる。
ちょうどリゾットの唇の痕が色濃く残る、その中心を狙った。
胸にきれいな直線が走り、ジッパーをひけば恥ずかしげもなくそこは開いた。
赤い痕は中心からきれいに裂ける。
胸の中から臓器が見えるわけではない。
ただそこを開くだけだ。
ブチャラティは切り口のような隙間へ手の平をすべりこませ、さするように撫でてみた。
プロシュートが苦しそうに眉をひそめる。
「メタリカが、出てきたりして」
寄り添うことがかなわなければ、内在することを望むだろう。
パタリと雫がこぼれたような気がしてブチャラティは隙間を覗き込む。
無理に開くとプロシュートはさらに表情をゆがめた。
ジッパーで開いた断面からさらに指でえぐる。
苦しいのだろう、プロシュートは喉仏を動かし、喘ぐようにえづいた。
「ルビーだ」
開いた体内を無理にえぐり、そこから小さな赤い粒を取り出す。
そしてプロシュートの痛ましい目元を見詰めた。
眉を寄せ、呼吸を乱し、けれどつらさを読み取られぬように瞳は少しも動じない。
「いい顔」
ブチャラティは開いた体を丁寧に閉じる作業にうつった。
綻びのないよう縫い目をあわせるように、きっちりと肌をつなぐ。
跡形も無く白い胸に戻り、リゾットの唇の痕も一つに戻る。
赤い皮膚の裏には、赤い宝石が隠されていた。
「皮膚を赤く染めていたのは、ルビーだったりして」
だとしたら、他の鬱血の裏にもまたルビーがひそんでいるのかもしれないと思った。
それはくすぶる火種のように、煌々とゆらめきながら。
もしくはリゾットのとろける血液を凝縮させた塊のように。
唇で吸われた痕の全てを切り開き、指でえぐりとったら、プロシュートはどれほど顔をゆがめて苦しむだろうか。
そして、全てのルビーが取り出された体は、痛みのせいで汗にまみれて美しいに違いない。
体が一度切開されたせいでプロシュートの呼吸は乱れていた。
髪の毛にプロシュートの息を受けながら、ブチャラティは一粒のルビーをつまみ、見つめる。
「あの首飾りに何かが足りないと思ったんだ。真珠だけじゃない。ルビーも混じっていた。」
ブチャラティの手の中でルビーは薄く光を放つ。
なぜプロシュートの体内からルビーが零れ落ちたかはどうでもよかった。
「人の体の中からくすねるなんて、手癖の悪い奴だな」
プロシュートは呼吸を戻しながら、スティッキーフィンガーズと、そこだけ英語で悪態をつく。
ブチャラティはプロシュートの手首を強く引き、ベッドに転がす。
やわらかな生地にプロシュートの体が沈みこんだ。
白いシーツに埋もれさせると、よりいっそう赤い痕が鮮やかに浮き立つ。
「やめろブチャラティ。すぐ下にあいつが寝ている」
「じゃあ声を我慢すればいいだろ」
そのときにはすでに、プロシュートの体はすっかり組み敷かれていた。
プロシュートはその言葉に鼻で笑い、意地悪そうに口をゆがめる。
「我慢がきかないようなの、してみろよ」
この冷笑に興奮させられる。
本人は無自覚だ。




体内から取り出したルビーをどうしようかと、ブチャラティはバルコニーで思案していた。
小さな赤い光を人差し指と親指ではさみ転がす。
やがてそれにも飽きて指ではじいて夜風に飛ばしてしまった。
ルビーはきれいな弧を描き、飛沫もあげずにプールに吸い込まれる。
「下まで聞こえていたぞ」
いつの間にかリゾットが隣に立っていた。
ブチャラティはプロシュートが眠っていることを確認してからリゾットを見やる。
「声だけじゃない。シーツもすっごい汚した。」
言うとリゾットは笑う。
「お前みたいに賢い男がプロシュートを狙うのは意外だな。」
「狙ってるわけじゃない。貴方たちと一緒にいることが楽しい。たぶん、いつもと扱われ方が違うせいだ。でも慣れてきたら少し、欲が出た。」
プロシュートが寝返りをうつ。
シーツからのぞく足首が隠微だった。
「それに、自分の傍に深い孤独があると、とても安らかな気持ちになるんだ。」
ブチャラティの言葉にはリゾットも同感だった。
安らかな気持ちはやがて、孤独のかたまりを包み込みたいという欲求にかわる。
月明かりが水面をすべる。
磨かれたタイルの上に赤い光がひそかに輝く。
そして控えめに警告する。
けれど一息つくことも、ためらうこともない。
「最近ようやくわかった。プロシュートにとって、幸せも死も同義らしい。」
ブチャラティは笑った。
「傷つく覚悟はできている。何度でも。」
ブチャラティの言葉はやはり好ましいとリゾットは思う。
ありし日の自分の姿が重なるからではない。
この先成長し、いつか自分と同じ年齢に達しても、光明を見出す眼差しを失わないと確信できるからだ。




ベアトリーチェの首飾りはオークションに賭けられ、予想以上の高値で落とされた。
カジノを作るための大掛かりな工事が始められようとしている。
計画を打ち出しながらもさほど興味のないプロシュートは、プールサイドでギターをいじって過ごす。
工事の音が不快だと言って、プロシュートもまた昼寝のときはヘッドフォンを愛用した。
耳に閉じ込めておきたい言葉でもあるのだろうか。
ブチャラティがプールに落としたルビーは見つからないままだ。
ルビーが無いのに大層な値打ちがついたことに驚いた。
けれどどうやら、ベアトリーチェの首飾りには元からルビーはまじってはいなかったのだ。
リゾットは確かにプールでルビーを掬い上げたし、そのプールは塵一つないまでにブチャラティが磨き上げていた。
けれど、首飾りには最初からルビーは存在していなかった。






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